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『恐怖の効果』について=諒

みなさま、お疲れ様です。   カウンセラー鑑定士の諒です。   今回が本年初回のブログとなります。 なにとぞ、今年もよろしくお願いいたします。     さて、今日も日常で役立ちそうな心理効果・行動をご紹介していきます。       『恐怖の効果』について   ある心理実験に以下のようなものがあります。 被験者を3つのグループに分け、1番目のグループには、ある伝染病患者の悲惨な映像をこれでもかと見せて恐怖をあおりました。2番目のグループには、伝染病の初期症状や感染経路などが説明されました。これは言ってみれば、中ぐらいの恐怖を与えたわけです。3番目のグループには、「伝染病には注意しましょう」程度の簡単なアドバイスが与えられました。これは、小さな恐怖の提示です。そして最後に、各グループに予防注射の接種を勧めました。 その結果、どうなったのでしょうか。 ふつうに考えれば、伝染病の恐怖をこれでもかと見せつけられたグループの予防注射接種率が高くなると予想されますが、1か月後に実施された追跡調査によると、その予想は見事に覆さくつがえれました。もっとも接種率が高かったのは、伝染病の簡単な注意を与えられた3番目のグループで、もっとも低かったのは1番目のグループでした。 このことが何を示しているのかというと、人は恐怖があまりにも大きいとその恐怖自体から逃げ出してしまうことです。見て見ないふりをする、あるいは、忘却のかなたへ置き去りにしてしまう。「大げさだよ」「そんなことが身に降りかかる確率なんて、ほんのわずかさ」と自分に都合よく解釈して、恐怖の存在を打ち消してしまおうとするのです。 恐怖は人を動かす要因になることは確かですが、あまりに大きな恐怖を与えすぎるのは逆効果ということです。人を動かすという点では、大きすぎる恐怖より、小さな恐怖を与えるほうが有効であるといえます。 他の事例として、会社での上司の場合を考えてみましょう。 いつも部下を怒鳴り散らす怖い上司がいる一方で、ふだんは優しいが、気のゆるみから派生するミスに対しては容赦ない叱責を与えるといった上司もいます。果たして、どちらの上司のほうが怖く感じ、言うことを無条件に聞くでしょうか。 多くの人は、怒鳴り散らす上司には面従腹背めんじゅうふくはいで、それほど恐怖を実は感じていないと思われます。吠えられるのに慣れてしまえば、嵐がやむのをじっと待っていればいい。何度も怒鳴られていれば、それくらいの知恵はついてしまうものです。 ですが、時折怒りを見せる上司に対しては、そういう免疫がつきにくいです。そういう人がピリピリとした雰囲気を醸し出していると、恐怖が増幅されて何か言われたら、「はい」と従ってしまうのではないでしょうか。 要するに、部下を掌握し、組織を束ねる「できる上司」ほど、簡単に吠えることはせず、たまに見せる威圧的な姿勢で潜在的な恐怖感を植え付けているのです。       さて、いかがでしたでしょうか。   それでは、ぴかれすくでお待ちしております。
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